洗脳学級
「アプリかぁ……」


佑里香はそう呟いてスマホを見つめる。


「佑里香はあまりアプリを使いたがらないね?」


美世がそう聞くと、佑里香は頷いた。


「やっぱり怖い気がして……」


そう言う佑里香のスマホをあたしは横から奪い取った。


怖いなら、あたしが使ってあげればいいんだ。


「今日の晩ご飯の献立はどうすればいい?」


《ボクが解決してあげるよ! ハンバーグにするといいよ!》


「ハンバーグだって」


あたしはそう言ってスマホを佑里香に返した。


「もう、強引なんだから」


「大丈夫だって。あたしだってお昼ごはんの質問したけど、なぁんにも起こってないんだからさ」


「そりゃそうだけど……」


「佑里香も、ちょっとしたことならアプリを使ってもいいんじゃないかな? そうすれば無駄に悩む時間も減るかもよ?」


美世はそう言ってほほ笑んだのだった。
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