ストーリー
《咲紀は本当にいい子だった》


《咲紀、イジメてごめんなさい》


《咲紀の小説は面白かった》


《咲紀には才能があった》


嘘でもいい。


なんでもいいから、とにかく沢山の褒め言葉をネットに流した。


他のサイトで自分の名前がさらされても、偽善者だと白い目で見られても、あたしは書き込みを続けた。


《咲紀のこと、大好きだったよ》


そう書き込んで、あたしはスマホをテーブルに置いた。


和人も自分のSNS上で咲紀のことを呟く回数が増えていた。


そのどれもが褒め言葉で、時には歯が浮くようなセリフもあった。


恋人に当てた言葉をもとれる内容に、あたしは思わず顔をしかめた。
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