ストーリー
人の彼氏に近づこうとした明日香が悪いのだ。


「ごめんなさい……」


明日香の声はひどく震えている。


「謝るくらいなら最初からやるなよ!」


あたしはそう怒鳴り、明日香の頬を殴った。


明日香は横倒しに倒れ、自分の身を守るように丸くなった。


「ふざけんなよ! 調子に乗りやがって!」


暴言を繰り返し、丸くなった明日香の背中を蹴り上げた。


明日香は小さく「うっ」とうめき声をあげるだけで、なんの反応も示さない。


文芸部のある場所は廊下の端だから、滅多に人が来ないことは明日香自身が良く分かっているのだろう。


「この、クソ女!」


そう言って再び手を上げた時、不意にノック音が聞こえてきて、あたしは動きを止めた。
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