ストーリー
☆☆☆

1番のターゲットだった咲紀が自殺をしても、部活内のカーストはあたしがトップだった。


今までも、これからもそれは変わらない。


修人と和人から暴力を受けて、動けなくなってしまった明日香を見下ろし、あたしは笑顔を浮かべた。


明日香は口の端から血を流し、意識も朦朧としている状態だ。


「人の彼氏に手を出したらどうなるか、わかった?」


あたしは明日香の横にしゃがみ込んでそう聞いた。


しかし、明日香は答えない。


口を開く元気も残っていないようだ。


「どうするんだよこれ。ちょっとやり過ぎたか?」


手についた明日香の血を拭きながら、修人が言う。


「大丈夫だよ。これくらいやらないとわからないんだから」


そう答えて時計へ視線を向けると、もう6時が過ぎていた。
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