ストーリー
外は太陽が傾きかけている時間帯だ。


「明日香、そろそろ帰るよ」


到底動けないであろう、明日香にそう声をかける。


やはり、明日香からの返事はなかった。


しかたないから今日はここに置いて帰るしかなさそうだ。


そう思って鞄を手にした時だった。


「おい、ちょっとヤバイかもしれないぞ」


そんな緊迫した和人の声が聞こえて来た。


和人は明日香の手を取り、脈を確認している。


「ヤバイって?」


あたしと同じように帰る準備をしていた修太が手を止めた。


「脈拍がゆっくりになってきてる」


「ちょっと、冗談でしょ?」


そう言いながら、あたしは明日香の首に手を当てた。
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