“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました

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残りのアリアンヌお嬢様の薔薇『アリアンヌ』は、すべて精油にした。

精油と言うのは、植物から抽出した香りのする油のことである。

スキンケアからマッサージ、掃除など、利用方法は多岐にわたる。

薔薇の精油は香り高く、美容効果がある。そのため、お風呂に数滴垂らしたり、美容水を作ったり、石鹸を作ったりするのに使えるだろう。

薔薇の精油は水蒸気蒸留器を使って作られる。先日、骨董屋で錬金術師が使っていたという、中古の水蒸気蒸留器を購入していた。

水蒸気蒸留器の見た目は、大きな鍋と細長い筒のようなものが管で繋がった品である。

まず、大きな鍋に薔薇を入れて蒸す。すると水蒸気が発生するのだが、これを冷やすと芳香をたっぷり含んだ液体になる。これが、精油なのだ。

大量の薔薇は、瓶一つ分の精油となった。