“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
アリアンヌお嬢様が住む離れは、ちょっとした森に囲まれた、郊外の中でも特に自然あふれる場所だった。

離れは青い屋根に白亜の壁と、なんともメルヘンチックな二階建ての館だ。乙女心がくすぐられる。

ここで生活したいと思ったアリアンヌお嬢様の気持ちは、よくわかる。きっと、お母様との思い出の場所でもあるのだろう。

「あそこの煉瓦の壁に囲まれているのは、もしかしてウォール・ガーデンですか?」

「そうだ」

「今度、暇な時に見学とかできます」

「庭師に話をしておこう」

「ありがとうございます」

他にも、蔓薔薇のアーチ、東屋、厨房と繋がった小さな温室など、のんびり過ごせそうな施設がたくさんある。鶏小屋や、厩舎もある。

王都からさほど離れていないのに、カントリーハウスのようなゆったりとした雰囲気だった。

「明日にでも、周辺の案内をしよう」

「あ、はい。どうぞよろしくお願いいたします」

「中に」

「はい」
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