“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
第四章 エリー・グラスランド、最終決戦に挑む
ついに、お茶会の当日となった。

アリアンヌお嬢様は期待と不安が入り混じっているようで、ソワソワと落ち着かない。

きっと授業に身も入らないだろうと、一日休みにしていたのは正解だっただろう。

「アリアンヌお嬢様、まだまだ時間があるので、お風呂に入ってゆっくり過ごしましょう」

「朝から、お風呂に?」

「はい。気持ちがいいですよ。それに、とっておきのものを作ったのです」

「何かしら?」

アリアンヌお嬢様の前に、ポケットに入れていた球体を差し出す。

「これは?」

「バスボムです」

「バスボムって?」

「入浴剤の一種です。お風呂に入れると、シュワシュワ発泡するのですよ」

「まあ! 楽しそうだわ」

「さっそく、入りましょう」

メアリーさんがお風呂の準備をしてくれていたのだ。服を脱ぐ前に、バスボムを浴槽に入れてもらう。

「アリアンヌお嬢様、どうぞ」

「ありがとう」

アリアンヌお嬢様は不思議そうにバスボムを眺め、香りをかいでいた。

「薔薇のいい香りがするわ」

「薔薇の精油入りなんですよ」

「素敵ね」
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