“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
ミルクローションと保湿潤滑剤をボウルに入れてかき混ぜ、そこにファンデーションを加える。

最後に、天然の防腐剤であるグレープフルーツの精油を入れたら完成だ。

「液体白粉の完成です」

アリアンヌお嬢様は、達成感に満たされた表情を浮かべていた。額に汗が滲んでいたので、ハンカチで拭ってあげる。

「これで、当日は顔色の心配をしなくてもいいのね」

「はい」

「別の心配事は山盛りだけれど」

「ええ……」

「でも、うじうじばかりもしていられないわ。わたくしにも、できることがあると気づいたから」

「アリアンヌお嬢様……」

本当に、お強くなられた。ここに来た当初の、喪服を着ていた少女と同一人物とは思えない。

「エリー、他に、お父様のためにできることはあるかしら?」

「最近よく冷えるので、薬草足湯でも作ってみます?」

「足湯って?」

「足だけ浸かるお湯のことです。足には体の内部と繋がるツボがありまして、足を効果的に温めることによって、健康になると言われています。足は、第二の心臓とも呼ばれるほど、大切な場所なのです」

「そうなのね!」

まずは冷えを改善する薬草足湯から作ってみたらどうだろうかと、提案してみた。

「必要なものは、薬草と精油、塩、重曹ですね」

「薬草はウォール・ガーデンにあるかしら?」

「ええ、ございますよ。今から採りに行きましょう」
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