“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「ではまず、肌の色材を調合して、混ぜ合わせることからしましょう」

血色がいい肌の色合いの色材と顔料を、ゴム手袋をした手でしっかり混ぜ合わせる。

「エリー、混ぜるのは、わたくしにやらせて」

「ええ、では、お願いいたします。材料を潰すように、しっかり混ぜてください」

「わかったわ」

アリアンヌお嬢様は、ドレスの袖を捲って張り切って材料を混ぜてくれる。

「よく混ざったら、この白い粉を入れます」

「それは?」

「コーンスターチ。トウモロコシから作ったでんぷんです」

「え、トウモロコシの粉を使うの?」

「はい。通常の化粧品にも、基礎成分として使われておりますよ」

「そ、そうなのね。驚いたわ」

コーンスターチは料理のとろみ付けや、お菓子の凝固剤として使われている。他に、工業などでも接着剤として利用しているとも聞いたことがあるような。

そんなコーンスターチを入れて、さらに混ぜ合わせる。

「ある程度混ぜたら、今度はガラスボードに移して、ヘラで擂り合わせるようにして、滑らかにしておきます」

私がやってみせたあと、アリアンヌお嬢様も挑戦する。

「これ、なかなか、難しいわ」

「何回も繰り返ししていたら、上手くできるようになりますよ」

アリアンヌお嬢様は、真剣な眼差しで作業を進める。

「エリー、これでいい?」

「はい、上手くできています」
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