“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
このミシェル様が、とんでもない美貌の持ち主で──。

蜂蜜に太陽の光が差し込んだような優しい金の髪に、深い海のような切れ長の青い瞳は芸術品のように美しい。加えて、いつも憂いを含んでいるような、甘い容貌をしている。ミシェル様は騎士を務めており、お忙しい身であった。しかし、母親を心配してか、毎週のようにお土産持参で帰って来ていた。

そんな中で、私をも気にかけ、リボンやレースのハンカチなども贈ってくれる。

甘く派手な容貌なのに、性格は淡々としていて物静かとギャップのある男性だったが、贈り物は贈る際はこちらの負担にならないよう「もしも気に入ったら使ってくれ」と言ってスマートに手渡してくれた。

ラングロワ侯爵家の大奥様はなぜか私をずっと傍に置いているので、母の分だけお土産を買うわけにはいかないのだろう。

親子水入らずの時間を過ごすよう、部屋から出て行こうとするのだが、毎回ふたりから引き止められてしまうのだ。
不思議なことも多々あるものである。

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