“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
何はともあれ、今日の仕事は決まった。

メアリーさんとアリアンヌお嬢様の身支度を整える。

「エリー、街に出かける時は、ミシェルを連れて行きなさいな」

「なぜ、ミシェル様を?」

「危険だからに決まっているじゃない。ねえ、ミシェル?」

「ええ。確かに、街は安全とは言えないのですが──」

今は社交期で、王都は人で溢れている。その分、物騒な事件も起きやすい。けれどそれは、治安が悪い下町や酒場で多く発生している。ただ、街を歩いているだけでは、事件に巻き込まれることはほぼないだろう。

それに、ミシェル様はアリアンヌお嬢様の護衛である。傍を離れるわけにはいかないのだ。

「あの、アリアンヌお嬢様、私は一人で平気ですので」

「生真面目なのね。だったら、メイドを連れて行きなさい。それだったら、いいでしょう?」

「はい。ありがとうございます」

そういえば、侯爵家の奥様も、お使いを頼むたびにメイドを連れて行くように命じていた。荷物持ちのためと思っていたけれど、私の護衛の意味もあったようだ。
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