“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「何か、イレギュラーな問題があったということですか?」
「そうです」
「びっくりしました」
いったい何が起こったというのか。イリスとドリスの話を、固唾を呑んで聞く。
「公爵の再婚相手──新しい奥様が、公爵にレティーシア様を王太子妃候補にしてくれと、涙ながらに頼んだのですよ」
「公爵と結婚したのは──名声と娘を王太子妃にさせるためだと、噂されています」
「そ、そんな!」
王族に嫁ぐのは、国内の上位貴族の中から選ばれる。レティーシア様の父親と母親は共に中位貴族で、王族に嫁げる血筋ではない。それなのに、公爵はレティーシア様を王太子妃候補として上げ、国王もそれを認めたのだ。
「でも、どうして認められたのですか?」
「お金です」
「新しい奥様は、亡くなった元夫の遺産を、すべて手にしていました」
レティーシア様の母親が国の財政が潤うほどのお金を献上し、王太子妃候補の座に納まることとなった。
国王が認めたら、意見を言うことなど許されない。数年前の戦争に負け、賠償金の支払いが苦しいという話を聞いたことがある。お金と引き換えに王太子妃候補にしてほしいという申し出は、またとないことだったのかもしれない。
「そうです」
「びっくりしました」
いったい何が起こったというのか。イリスとドリスの話を、固唾を呑んで聞く。
「公爵の再婚相手──新しい奥様が、公爵にレティーシア様を王太子妃候補にしてくれと、涙ながらに頼んだのですよ」
「公爵と結婚したのは──名声と娘を王太子妃にさせるためだと、噂されています」
「そ、そんな!」
王族に嫁ぐのは、国内の上位貴族の中から選ばれる。レティーシア様の父親と母親は共に中位貴族で、王族に嫁げる血筋ではない。それなのに、公爵はレティーシア様を王太子妃候補として上げ、国王もそれを認めたのだ。
「でも、どうして認められたのですか?」
「お金です」
「新しい奥様は、亡くなった元夫の遺産を、すべて手にしていました」
レティーシア様の母親が国の財政が潤うほどのお金を献上し、王太子妃候補の座に納まることとなった。
国王が認めたら、意見を言うことなど許されない。数年前の戦争に負け、賠償金の支払いが苦しいという話を聞いたことがある。お金と引き換えに王太子妃候補にしてほしいという申し出は、またとないことだったのかもしれない。