“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「レティーシア様が来てから、アリアンヌお嬢様はボロボロになったんです」

「本邸から離れに追い込んだのも、レティーシア様なんです」

「え、でも、本当? あなた達の、気のせいでは?」

「でも、この前、アリアンヌお嬢様に言っていました」

「さっさと出て行きなさい、って」

メアリーさんもそんなことは話していなかった。イリスとドリスはレティーシア様の前で粗相をして、首になりかけたのだと言っていたので、もともとよく思っていなかったのでは? そんなことを言ったら、ふたりはポロポロと涙を流し始めた。

「みんな、レティーシア様は悪くないって、同じことを言うんです」

「私達、レティーシア様の悪行を見たから言っているのに」

「悪行とは?」

「レティーシア様の侍女が、アリアンヌお嬢様のお茶に何かお薬を入れたのです」

「そのせいで、アリアンヌお嬢様は王太子妃候補の試験中に眠くなって」

まさか、睡眠薬を入れたというのか。でも、証拠はないという。

「でも、見たんです」

「粉末のものを、サラサラと紅茶に」

「一番酷いことは、アリアンヌお嬢様がレティーシア様の悪意に気づいていないことなんです」

「メアリーさんも、気づいていません」
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