“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
熟成させるのには、理由がある。完成したばかりの石鹸はアルカリが強く、すぐに使うと肌が荒れてしまう。そのアルカリは、熟成させることによって弱まっていくのだ。

「熟成、大事なんだ」

「しっかり熟成しないと」

「そうですね」

気の長い石鹸作りの救世主が、魔法だ。

魔法を使って石鹸を固め、熟成させる。さすれば、あっという間に石鹸の完成となるのだ。

「イリスとドリスは、魔法は使える?」

双子は揃って首を横に振る。

「魔法を習うのは、お金がかかるから」

「私達は、習えなかったの」

イリスとドリスは革職人一家の娘で、兄妹が十五人もいたため魔法を習う余裕はなかったようだ。

「でも、使用人になったら、習うんじゃないの?」

使用人は魔法が使えるほうが役に立つ。そのため、雇った使用人には魔法を習わせるのことが多い。
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