“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
アリアンヌお嬢様は父親の再婚と王太子妃候補を新しく立てたことにショックを受け、母親が療養していた公爵家の離れに引きこもっているようだ。

ミシェル様は片膝を突いて、私にアリアンヌお嬢様を支えてくれないかと懇願する。

まるで、求婚のようだったが──実際はお仕事の依頼である。

キラキラしたミシェル様の海色の瞳に見つめられ、深く考えずに「はい、よろこんで」と言いそうになった。

私の主人はラングロワ侯爵家の大奥様だ。判断は、ラングロワ侯爵家の大奥様に任せる。「わたくしからも、お願い」と言われたので、即座にアリアンヌお嬢様の侍女になることに決めた。

その判断が、私の人生を左右することとなるとは、この時は夢にも思っていなかったのである。






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