“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
第一章 エリー・グラスランド、前世の記憶を思い出す
四頭立ての豪奢な馬車で、私はミシェル様と共にルメートル公爵家へ向かう。

手荷物は、鞄ひとつだけ。お仕着せ用のドレスは、公爵家から支給されるようだ。本日纏っている太いリボンが巻かれた帽子とタンポポ色のワンピースは、ラングロワ侯爵家の大奥様からの贈り物だった。他にも、数着ドレスやら、リボンやらをいただいてしまう。退職金代わりだと言っていたが……。

私にはとてもとてももったいない品だけれど、経済を回す協力をしてくれと言われてしまったら遠慮することもできない。

< 9 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop