COLOR~番外編集~
ひどいって。 
こんなにもバカ正直で素直なやつ見たことがないけど。

「それだったらまだ俺の方が秀って名前にあってると思うけど。」

秀は、ふふんと鼻で笑った。
「自分でそんなこと言っちゃう?自分賢いですって言ってるようなものだよ?」

そう言って、塾の書類を開く。多分俺のデータを探しているのだろう。俺は、きっと秀に任せておくと個人情報流出し放題だろうな、と心の中で考えていた。

「えーっと、高浜咲くんは…あった。」
俺のデータを見つけた秀はゆっくりとデータを見始めた。

「えっ。」

突如、その動きが止まった。カクカクとした動きで俺を見つめる。驚いているのがわかりやすい。一目瞭然だ。

あわあわとした状態で口を開く。

「さ、咲くん…全国模試3位…?しかも数学満点?え、しかもしかも志望校はあの最難関大学?」

「そうだけど。」

「な。」

完全に秀は固まった。
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