COLOR~番外編集~
秀。

名前を頭の中で繰り返し呟く。
確かに男みたいな名前だ。

あまり女で秀って名前は聞かない気がする。

「私も男みたいな名前だって言われたことはあったんだけど…私自身がこの名前が好きだから別に平気。」

「好き…?」

「うん。秀って字はね、禾が穀物って意味で乃が曲がるって意味なの。そこから穂が早く垂れ下がる=優秀ってなったの。あとは、花が咲くって意味もある。」

「花が咲く…」

俺と同じだ。
俺は偶然に目を丸くした。

「あっ、私と咲くんって同じ意味がある!すごい、運命だね!」

女、じゃなくて秀も驚いていた。

「私の名前はね優秀な子になってほしいって意味があるの。だから私は好き。」

優秀な…子。

目の前の秀をじっと見る。優秀な子、優秀…?

どかん、と笑いが込み上げてきた。
「えっ、何どうしたの?」

「全然お前らしくないと思ったら笑いが。」

「ひどい!」

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