愛のかたち
『何~??』

そう言いながらもわたしはゆっくり友美と歩いて唯たちのほうに行った。

近づくと男たちの顔が見えて誰かというのがわかった。

紛れもなく俊くんと恵介くん、そして見たことのない人だった。

その人も2人に負けず劣らずいい男だった。

確かにいい男なのでみんなが騒いでいた理由もわかる。


わたしは俊くんらを見て驚いた顔を隠せなかっただろうと思う。

なぜここに??



『この人たち、咲貴を待ってるって。』

唯が明るい声で笑いながら言った。

わたしたちにも紹介しろと言っているのだとすぐに悟った。


『久しぶりだね。』

わたしは俊くんに話しかけた。

あの電話以来。

しかもあの内容。

正直、もう会いたくなかった。



『咲貴ちゃん、連絡しても絶対出ないから来ちゃったよ。』

ちょっと怒った感じで俊くんが言った。


『咲貴ちゃん、髪の色変えた??』

髪の色なんて変えてもないのに恵介くんが俊くんの後にすぐ言った。



『咲貴は彼氏できたから連絡しなかったんじゃない?』

唯が俊くんを見ながら言った。


俊くんはそれを無視して

『咲貴ちゃん、俺諦める気ないから。それ言いたかっただけ。』

わたしは何か言うタイミングもなく、そう言って恵介くんとあと1人の友だちに行こう。と行って去ろうとした。



『俊くん、咲貴は彼氏一筋だから無理だよ。』

友美が厳しい口調で言い放った。


友美は恵介くんが気まずいだろうにわたしの代弁をしてくれた。

恵介くんは振り返ったが、俊くんは振り向きもせずその言葉も無視して立ち去っていった。
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