愛のかたち
わたしは一応2人の部屋に行ってメイク道具と私服を適当に選んで下に持っていった。

階段を降りると玄関にいるはずの孝浩くんがいなかったのでおかしいなと思いながらリビングに行くと孝浩くんはもう2人と話していた。

汗だくの短パンTシャツ姿の2人と。


『ごめんなさいね、こんな姿で。姉の知香です。22歳。』

『わたしは理沙。確か同じ歳だったと思いますよ。』

2人はすでに自己紹介をしていた。



『原口孝浩です。すみません、連絡もせずに来てしまって。』

そういう孝浩くんに2人そろっていえいえいえいえ。とおばちゃんみたいな反応をしていた。

『メイク道具と着替え・・・。』

わたしが台の上に置きながら言うのを2人は無視して知香ちゃんが冷蔵庫からジュースを出していた。



2人はそれから2時間ほど孝浩くんとすごいパワーで喋りまくっていた。

わたしはそれを呆れる目をして傍観していた。


孝浩くんが帰ったあと、

『咲貴ー、あんな態度じゃ失礼よ??』

という知香ちゃんに

『いや、2人のパワーに圧倒されてただけだから・・・。バーゲンのおばちゃんみたいだったね。』

と呆れるように言い放って部屋に向かった。
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