愛のかたち
誰に話しかけられても何も言わず、しばらく立ち尽くしていたときだった。

『咲貴ちゃん、どうした!?』


目の前から来ているのは俊くんだった。

わたしの肩を揺さぶりながら涙を流しているわたしを見て心配そうな顔をしていた。

ケンカの原因は俊くん。

離れなきゃ。

そう思ったけど動くことが出来なかった。

完全に力が抜けていた。


『孝浩くんが・・怒ったの。』

やっと出てきた言葉はこれだけだった。

どうして・・俊くんにだけは口を開いたんだろ。

いつからこんな弱すぎる女になったんだろう。

本当にどうするべきなのかわかってても体が動かない。



『俺のせいだよね??』




反応しないわたしを見て俊くんはわたしの肩から手を離して続けた。



『さっき、話してたじゃん?咲貴ちゃんが借り物競争行った後、原口さんと目合ったんだ。やべ、見られてたかも・・。とは思ってたんだよね。本当にごめん。』


『咲貴!!!!』


急に後ろから友美の声がした。

友美はわたしの泣いている顔を見て俊くんが今何かしたと思い込んだのか


『あんた、咲貴を混乱しかさせないのね。最低な男。』

そう言って睨み、わたしの手を引いて校舎の方へ行った。


拓也さんも後ろから付いてきてくれていたが孝浩くんがいないのを不審に思い、孝浩くんと連絡を取りにどこかへ行った。



連絡取れないと言って戻ってきた拓也さんと友美にしばらくして落ち着いてた後、孝浩くんがいない訳を話した。


2人は黙って聞いた後、わたしに落ち度があるとはっきり言った。


どうするべきなのかというのはわかっている。


俊くんと連絡を取らない、会わない。それにはバイトを辞めるしかない。

でも孝浩くんとあんまり会えなくなる。

その道は複雑だった。



その日、わたしは孝浩くんと全く連絡が取れなかった。

最低な1日が終わった。
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