愛のかたち
『いらっしゃいませー。』

店を開けたのと同時にたくさんの客が押し寄せた。

店員はバニーガール、ロリータ、幼稚園児、ナース、アリス、女装した男子のOL、キャビンアテンダント、メイドがいる。

女の子のお客も来るように男子に女装させたのだが、何気に男子にもキモイと言われながらも人気だったみたい。


『アリスちゃーん、コーヒーおかわり。』

そんな言葉をたくさん受け、わたしは結構忙しかった。


1時間働くと1時間休憩。

その間は違う子がアリスをやり、わたしと友美は他の店を周ったりしていた。


友美は2度目の休憩の時に行きたいところがあると言ったのでそこに付いて行くと、そこには拓也さんが来ていた。

拓也さんも学祭のはずなのに。

『咲貴ちゃん、ちょっと座って。』


拓也さんは友美じゃなくわたしにまず話しかけてきた。

その瞬間、これから話すことは孝浩くんのことなんだと気付いた。

わたしが座って下を向いてると


『あいつ、言い過ぎたって今めっちゃ反省してる。』

予想外の言葉を耳にした。

わたしはてっきり、別れたい。とか許せない。とかそういう言葉を言われるものだと思っていた。

わたしは拓也さんの方を向き首を振った。

『あいつ、ほんとに咲貴ちゃんが好きなんだよ。わかってやって。明日、学祭来てやってね。』

そう言って拓也さんは立ち上がった。

友美がもう行くの?と聞くと

『急いで帰らなきゃ抜けてきてるのバレたらヤバい。』

と笑いながら去っていった。

わたしの為に、ヤバい中来てくれたんだ。

わたしは拓也さんにお礼が言えなかったので、友美に電話をかけてもらい


『ありがとうございました、わざわざ。』

『気にしなくていいよ。また明日。』

こうして電話を切った。


拓也さんのお陰でわたしはちょっと心が軽くなった。
< 155 / 386 >

この作品をシェア

pagetop