愛のかたち
『昨日は本当にごめん。』

俊くんはいきなりそう言い、頭を下げた。

わたしはオロオロしてやめてよ、やめてよ。と何度も言った。

『俺のせいで泣かせちゃって・・。』

その言葉は店にいた全員が聞いていた。

やばいと思い、わたしは俊くんの手を引いて店から連れ出した。

店では恵介くんが友美に可愛い。と連呼してちゃかしていたらしいが、友美はそんな恵介くんに自分が出来る精一杯のそっけない態度を取っていたらしい。




『俊くん、あんなとこで困るよ。目立つし・・。ほんっとにもう、いいから。』

わたしは立ち入り禁止の看板のあった人気のない奥の廊下で言った。

俊くんは本当に申し訳なさそうな顔をしていた。

『俺、奪うって言ったけどこんな形で2人をケンカとかさせるつもりはなかったんだ。それは信じてほしい。』

わたしは気まずい空気とこのシンとした場所で居心地が悪くなり、

『わかった。信じる。もう大丈夫だから。』

と早く話を終わらせようとしていた。

でもその瞬間グイッと体を引き寄せられた。


気が付くとわたしは俊くんの胸の中で抱かれていた。

『咲貴ちゃん、俺・・好きすぎてやばい。原口さんより俺の方が絶対好きな自信あるもん。』

そう呟き、すごい力で俊くんはわたしを抱きしめた。


『離して、こういうのだめだよ。』

そう言いながらもわたしはすごくドキドキしていた。

でも、俊くんの力は強くなる一方だった。
< 157 / 386 >

この作品をシェア

pagetop