愛のかたち
『”どんまい。時間が薬だ。早く忘れろ。”笑って言われたんだぜ??』

笑いながら言う拓海はどこか悲しそうだった。


『理沙ちゃん・・・・』


わたしは申し訳ないけどその理沙ちゃんの断り方にちょっと笑ってしまった。

理沙ちゃんらしい。


『お前、笑うなって!!!』


拓海だって笑いながら言った。


『でも、俺それで前に進めたかも。時間が薬だぞ、咲貴。』


拓海はそう言ってわたしの肩をポンッと叩いた。


『あの・・わたしが失恋したと思ってない????』


素朴な疑問を聞いてみると拓海は驚いたような表情で


『違うのかよ!?なんなんだよ、お前。俺の失恋話聞いといて違うとか今更ナシだろーが!!!』


焦る拓海に今度は本気で笑った。


『似たようなもんだけどね。別れたのは確かだよ。』



失恋じゃないのに泣くわたしを不思議に思ったのか、拓海はしつこく何だ?何だ?と聞いてきたのでウザイと思いながらもしょうがなく話した。

超簡潔に。
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