愛のかたち
お店の営業は12時までだが、高校生のためわたしたちは10時であがることになった。


オーナーに挨拶をして店を出るともちろん真っ暗。

『送ろうか??大丈夫??』

横で心配している佐々木だったけど、携帯を見ると俊くんから4回の電話がきていた。

佐々木には大丈夫と言って別れ、わたしは俊くんに電話をかけた。


『もしもし!?』

電話に出た瞬間の俊くんは機嫌が少し悪かった。


『ごめん、今日から急遽バイトになってバイトしてたの。』

『はぁ!?まじで!?どこ??』

『カプリて知ってる??イタリアンのお店の。』

『は!?カプリでしてんの!?』

『うん、そうなった。今終わって帰るところだけど・・。』

『どうやって?』

『・・・歩き?』


ちょっと疑問系で歩きと言ってみると俊くんはため息をつくかのように

『カプリのところで待ってて。暖かいとこにいろよ。迎えくるから。』


そう言って電話を切った。


やっぱ歩きはないよね・・・。

1時間くらいかかるし怖いし。

来てくれるのはちょっと予想してたけどホッとした。


わたしはオーナーに事情を話して事務所で待たせてもらうことにした。

外は冷えるしちょっと怖い。


その間、オーナーと色々おしゃべりして、オーナーの年齢とか家族構成とか色々聞くことが出来た。

オーナーは49歳で(最初は教えてくれなかったけど)バツ2らしい。


今はまた3度目の結婚をしていて、子どもは4人産んでるけど一緒に今いるのは2人。


最初に産んだ2人は最初の旦那さんと暮らしているそうだ。


こんな話を数十分していると俊くんから連絡があったので外に出た。


寒い中、バイクで迎えに来てくれた俊くんの姿が見えたのでわたしは走ってそばに行った。
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