愛のかたち
部屋はだいたいいつも片付けているのでいつ人を入れても大丈夫。


わたしたちはベッドに座ってバイトのことを話した。


終わる時間、客層、従業員層、自給、服装、仕事内容。


全部質問されたことなんだけど・・・。


でも・・・俊くんに全部言うんじゃなかった・・・。


『俺もカプリ入りたいんだけど・・・。』


やっぱりこの言葉を出した。


俊くんは実は街の近くの資格を取る専門学校に進学が決まっていてバイト生活を有意義に送っている。


『ダメダメー。もう俊くん来たら絶対ややこしくなりそうなんだもんっ!!!』


だいたい思っていた。

進学先も近いし、バイトが気まずいとばっかり言ってるから絶対入りたいと言いそうだと・・・。


『でも、今年いっぱいでバイト辞めるって店長に言ったし。』


『は!?聞いてないし!!!』


『言ってないもん。原口さんとかから辞められると困るっては言われてるけど新人入って今5人だし、今年いっぱいいたら新人も仕事覚えるだろ。また4人でやっていけるっしょ。』


俊くんはニコやかだった。


黙って困惑しているわたしに


『大丈夫だって!!付き合ってるってことは言わないから。』


そういう問題じゃないんだけど、こりゃ言ってもきかなそう。


めんどくさくなりそうだなと思いながらも


『俊くんがカプリに合格したならいいよ。』


と渋々ながらオッケーを出した。
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