愛のかたち
プライベートハウスを出て向かったところは俊の家だった。


『なんか疲れたね。誰もいないと思うから部屋行ってて。』


玄関に入って俊にすぐ言われた。

わたしは静かな階段を登って俊の部屋に向かった。

確かに誰かいる気配はない。

すごく静か。


俊の部屋はいつも片付いている。

俊もきっと汚くしてるのが嫌いなんだろうな。



ガチャッ。


わたしがベッドの下に座って携帯をバッグから取り出していたら俊が入ってきた。


手には紅茶とケーキ。


『これ、なんか冷蔵庫に綺麗に入ってたから食べよっか。たぶん姉貴かなんかが貰ったんだと思う。』

『お姉さん、ケーキ勝手に食べて怒らないの??』

『さぁ?どうでもいいよ。』


そう言って小さなガラスで透明のテーブルに置いた。


ホールケーキを切ってきたんだろう。

わたしに渡されたケーキには砂糖でできたサンタさんの飾りが乗せてあった。

俊のケーキにはチョコで出来たトナカイ。


『わたしトナカイがいい~!!』

『お前は子どもか!?』


そう笑って言いながらしょうがなくサンタさんとトナカイを交換してくれた。


わたしたちは帰りにファーストフードでハンバーガーを食べたばっかりだったのにペロリとケーキをたいらげた。


やっぱり甘いものは別腹なんだもん。
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