愛のかたち
『あの門をくぐればもうこの学校とお別れなんだよね。』


わたしたちはパーティーを抜けて帰ろうとしていた。

校門が見える。

あそこはもう、くぐることはないだろう。


『そうだね。寂しいよ、やっぱり。』


『咲貴、手つないで帰ろう。』


『そだね。ちょっと恥ずかしいけど最後だし。』


そう言ってわたしたちは手をつないだ。


この高校でミス流星に2年、3年と連続で選ばれたり、色んな先生に怒られたり、進路で悩んだり、友達と笑ったり。

楽しいことも辛いこともたくさんあった。


それも思い出になる日。


校門をくぐり、校舎を見た。

さようなら、流星高校。




『・・・・咲貴・・・。』


『ん??』


『・・・後ろ・・見て・・・・・。』


友美のうろたえてる言葉を不思議に思い、わたしは後ろを見た。





ありえないよ。

あなたは忘れるって言ったよね。

会いたくないっても言ったよね。




どうしてここにいるの??

どうして・・わたしを見てるの??





    俊。
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