愛のかたち
3.夏
夏休みに入ってもわたしはバイトに明け暮れていた。

学校の友だちや合コンで知り合った人から電話や連絡は来るがあまり仲良くない人らには返事をする気があまり起きなかったので学校の人だけ手短に返していた。

相変わらずバイト先では沢村さんに邪険にされていた。


沢村さんは前、幹事をした飲み会でわたしにだけ場所を教えてくれず、結局行けなかったし。


周りには『新垣さんが聞いてこなかったから行かないかと思って。』と言っていたらしく、本当のことを言って沢村さんが悪者になるのもどうかと思い、わたしは黙っておいた。

原口さんは相変わらずのかっこよさでお客さんを老若男女魅了していた。(男はどうかわからないけど)




そして夏休みも中盤くらいの8月にまた━━・・・出会った。

出会ったのは恵介くんだった。

見るからにすごくギャル女の子の腰を持ってイチャイチャしながら店内に入ってきた。

ギャルの服装は・・・もう水着だろう、あれは。


原口さんが

『すごいねー。あの子ら。』

驚いたように言うその言葉でわたしは2人の存在に気付いたんだけどね。



2人はお笑いのDVDを持ってわたしのいたレジに来た。

わたしに気付いたか気付いてないかはわからないけど支払い後もまたイチャイチャしながら出て行った。


ハッキリ言ってまじでウザイ!!!!



『あの女の子はわざと目の下を白くしてるの??』

大学にはやはりいないのだろう、原口さんの素朴な疑問にわたしは思わず噴き出してしまった。
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