愛のかたち
それからもわたしは毎日バイトだった。

プチ旅行のために水着の新しいのを買いに行って、色々服とかも買って・・

金かかるなぁ。



それでバイトをたくさん入れてもらうことにした。

原口さんも夏休みとかでたくさん昼から入ってたので結構楽しかった。

沢村さんもいる日が多かったからなるべく関わらないようにしていたけど・・。


そんな8月のお盆くらい。

いつも通りにバイトが終わり、しばらくあがりの時間は沢村さんと一緒だったが今日はバイトが昼からだったため7時あがりだったから原口さんとあがりが一緒で外まで一緒に出た。



『あ、浴衣だ!!』

わたしは通りを浴衣で歩いてる人を見て思わず口走った。


夏といえば浴衣か水着。

浴衣は夏に女の子としては一度は着たい服。

『今日、そういえば花火大会じゃない?だからだよ。』

わたしは近所に貼ってあった花火大会のポスターを思い出した。

行く相手もいないし日にちなどは見てなかったので今日ということを始めて知った。

ほんとに女子高生か?と自分にツッコミを入れたくなる・・・。


『そっか、今日か!!家から見えるかなー。』

そう言ったとき信じられないことが起こった。



『新垣ちゃん、今から家帰るの?暇なら行く?』

わたしは初めて原口さんからお誘いを受けた。

あまりにも驚きすぎてわたしは声が出なかった。


『いや、俺も家帰るだけだからさ。』

そう言って笑顔を見せた原口さんに本気で胸キュンだった。

『いいんですか!?すっごい行きたいっ!!』

そう言うと原口さんはじゃあ行こっか。と笑顔で言って駐車場に行き、原口さんの四駆の車で会場近くまで走った。

わたしは緊張しすぎて手に汗かきっぱなしだった。

『新垣ちゃん、かわいいのになんで彼氏いないの?』


それはこっちのセリフです。

そう思ったがもちろん言えず

『かわいくないから出来ないんですよ。』

と返した。
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