わたしの願い




――ガラガラ


「あら、藍沢さん」


「すいません、体調悪くて・・」


「たしかに顔色悪いわね、ベッド使って」


教室を飛び出した後結局また保健室にきてしまった。


「はいこれ、熱計ってね」


体温計を渡されて鳴るまでまっている間さっきの出来事を思い出していた。



洋輔との出来事は、龍希くんにも、いままで誰にもいったことのない、洋輔とわたしだけしか知らないはずのことだった。

それなのに、遥が知っていた。写真をもっていた。


あれは、はじめから仕組まれたものだったとさっきはじめてわかった。


あの日、急に眠たくなったのは、きっと飲み物に睡眠薬が入っていたんだろう。


そしてわたしが洋輔のことが好きだってことを知っていて、わざと洋輔に告白させた。

いきなり抱きしめられたら意味がわからないけれど、両想いとわかれば別だと思ったんだろうか。

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