新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
もう──絶対に、あの頃のような苦しい想いを二度と味わわせない。味わわせたくない。

当時彼女を抱きしめながら固く誓ったことを今もまた思い出しながら、短くなった髪をいとおしむように梳いた。



「っ、さつきくん……」



絡めた舌をほどいて少しだけ顔を離すと、ふたりの間にどちらのものともつかない唾液の糸がつたって切れる。

もうすっかりその気にさせられたらしい礼に色のついた声音で呼ばれ、ゾクリと身体を愉悦が走った。

もともと襟ぐりの開いたデザインのシャツなので、その綺麗な鎖骨や首筋をたどることも簡単だ。

唇を這わせながら、左手は彼女の顔の横で細い指と絡ませ、もう片方の手では滑らかな肌をイタズラになぞる。

2週間前の告白以降、俺の熱を散々教え込んだ身体はどこもかしこも敏感で、触れればすぐにとろけた甘い声が彼女の口から漏れた。

期待通りの反応に、礼自身がどんどん自分の色に染まっているような気がして、俺は内心でほくそ笑む。

と、そこで彼女が、ハッとしたように目を見開いた。



「ま、待って皐月くん、電気……っあの、電気を消してください!」



さっきまですっかり快楽に身を委ねた様子だったのに、どうやら気づいてしまったらしい。

俺はニッコリ、笑ってみせた。
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