私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『亮に伝える。絶対喜ぶ。あいつは…マジに恭香のこと…可愛いと思ってるから』


『そんなこと、わかるわけないよ』


『わかるんだ…亮の顔見てたら。あいつ、お前のこと話す時の顔、本当に嬉しそうだった。笑顔が可愛くて、優しい人だねって…恭香のこと、そう言ってた』


朋也さんは、すぐ横にあった小さな水槽を見た。


小さくて色とりどりの熱帯魚が、ユラユラと泳いでいる。


『亮は、恭香に恋してた』


ドキっとした。


私を見ないで、水槽を見つめたまま、サラッと言ったその言葉に…


『朋也さん、変です。顔見ただけで恋してるとか…わからないですよ。だいたい、朋也さんに、人が人を好きになる気持ちとかわかるんですか?』


どうしたんだろ、私。


こんなに攻撃的な口調で、しかも…


また敬語に戻ってる。


『…』


朋也さん、黙ってる。


ズルいよ、何も言わないなんて。


私達は、いつの間にか、最初に見た大きな水槽の前に戻っていた…


『俺は…亮に…焼きもちを妬いた』
< 134 / 235 >

この作品をシェア

pagetop