私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
今は、朋也さんも一弥先輩も、二人とも私の中にいて消えない。


それが、すべて。


『昨日は…ちょっと出かけました。か、買い物…とか』


一弥先輩の質問に答えたけど、嘘をついてしまった。


言えないよ…


朋也さんと二人きりで水族館に行ったなんて…


『そっか…俺も恭香ちゃんと買い物に行きたかったな。洋服とか、一緒に選んでもらったり…』


一弥先輩が、そう言って笑った。


ごめんなさい…


『また…誘ってもいいかな?』


『あ…一弥先輩…あの…』


それ以上、上手く言葉が続かなかった。


『前も言ったけど…僕、断られても、恭香ちゃんのことまた誘うよ。何度でも』


そんなこと言わないで…


一弥先輩に何度も誘われたら、そのうち、断れなくなってしまうかも知れないよ…


そんなことになったら、ますます自分が混乱してしまいそうで怖い。


一弥先輩、ちょっと悲しい顔になった?
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