私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
朋也さんが運転。


助手席に私。


後ろに一弥先輩が座った。


カメラ機材もたくさん積んである。


『今日泊まる旅館って、老舗なんですよね?』


『ああ、かなり。とても風情のある良い旅館みたいだ』


『楽しみだね。僕、旅館なんて久しぶりだな』


一弥先輩、ワクワクしてるみたい。


『着いたらすぐに写真撮りますか?』


私は、朋也さんに対しても敬語を使った。


『そうだな、旅館に荷物を置いたら、すぐにある程度押さえておきたい』


『わかりました。じゃあ、今日は、私が助手になりますね。夏希みたいにはいきませんけど』


『恭香ちゃんが助手なら、僕は荷物持ちだね』


一弥先輩が笑った。


一弥先輩が笑うと、本当にその場の雰囲気が温かくなる。


ずっとそうだった。


いつも大好きだった笑顔。


『僕は、夜のご飯と温泉が楽しみだな。そのために、撮影と取材も頑張らないとね』


一弥先輩、可愛い。
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