私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『あっ、先輩、すみません。中に入りましょうか?』


『そうだね』


私は、一弥先輩と入口に向かって歩き出した。


まだ、社長や本宮さん達は入口付近にいる。


何かの相談のようだ。


なんか、嫌だな…


そう思った瞬間、本宮さんは、私達に気がついたみたいで、こっちに近づいて来た。


『おはよう』


一弥先輩が、本宮さんに爽やかに挨拶した。


相変わらず、可愛い笑顔。


『おはよう…二人で出勤?』


本宮さんの目が、少し冷ややかな気がした。


『今、たまたまそこで会ったんだ。入口に本宮君達がいて、恭香ちゃんが入りにくそうにしてたから』


『え?あ…』


私が、戸惑っていると、


『行くぞ』


そう言って、本宮さんは、私の手を掴んで無理矢理引っ張って行こうとした。


『ちょっと、離してください。私、先に行きますから』
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