好きになるには理由があります



 昼食後、同期たちと少し話したあと、深月がエレベーターに乗ると、杵崎も乗ってきた。

 端と端だしいいか、と思っていたのだが、どんどん人が降りていって、最後には自分と杵崎だけになる。

「何故、そんな端に居る」
と杵崎が言ってくる。

「心配しなくても、二人きりだからって、こんなところで襲ったりしないぞ」

 いや、みんなが降りてったから、端と端になっただけなんで……。

 そして、二人だけになったからと言って、ぐいと近づいて話し出すほど親しくもないからですよ。

 そう思いながらも、深月は杵崎と二人きりという空気が薄くなるような緊張感に耐えられず、場を和ませようと笑っていった。

「杵崎さん、私は好みじゃないんでしょ?
 だから、そんな心配はしてませんよ~」

「そうだな。
 俺はお前は女としては好きじゃない」

 ……うっ。

 いや、別にいいんですが。

 そうハッキリ言われると、参考までに何処が?
と訊きたくなるな、と思っていると、親切にも杵崎は教えてくれた。

「俺とあまり身長が変わらないからだ」

 ……は?
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