好きになるには理由があります
 陽太はもうわかっているように、深月の両手をつかむと、

「今、なにを言おうとした?」
と笑って囁くように訊いてくる。

「言ってくれ、深月。

 お前が好きですとか言ってくれたら、俺は今まで生きてきた中で、一番幸せだと感じると思う。

 でも、それは今まで生きてきた中でだぞ?

 これから先、お前と生きていく人生が、たぶん、もっと幸せで、大切なものになるはずだから――」

「支社長」

「陽太」

「陽太さん、す、

  ……」

 き、が出ないっ。

「つづきはCMのあとでか、お前はっ」
と陽太は言ったが、笑っていた。

「神楽、頑張ったからかな」

「え?」
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