好きになるには理由があります
 繁栄と豊穣を願う神聖な祭りだ。

 私情はまじえまいと思うのに、今日は何故か陽太の面影が頭から消えなかった。

 失敗したかなーと思ったのだが、舞台を降りたあと、みんなが、
「どうしたっ。
 よかったぞ、深月っ」
と褒めてくれる。

 どうしたっ、ってところが気になりますが……と思いながらも、
「……ありがとうございます」
と深月が言ったとき、万理まで駆けつけ、褒めてくれた。

「どうしたの、深月。
 よかったわよ、いつもよりっ」

 邪念だらけだったと自分では思っていたのに不思議だった。

 深月が光がもれないよう、灯りを消している船室に入ると、鬼の装束を身につけた陽太が居た。

「船には人を上げないって言ってたのに、よかったんですか?」
と訊くと、

「うん。
 いいんだ。

 ……みんな仲間だから」
と陽太は言った。
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