好きになるには理由があります
 部長のところに行って、二、三話し、戻ってきた陽太に、
「間に合うんですか?」
と言うと、

「今日はなんとか。
 次からは、お前が秘書になって調整しろ」
と小声で言う。

「嫌ですよ」
と言ったとき、カウンターに由紀以上に派手な女が現れた。

「ちょっと」
とこちらを見て言ってくる。

 私か?
 支社長か?
と陽太を振り向いたが、

「支社長なわけないでしょっ。
 あんたよ、あん……っ」
と激昂しかけて女は堪えたようだった。

 何処かで見たと思ったら、別の棟に居る由紀の同期で、呑み会で一度一緒になったことがある人だった。

 確か、なんとかいう人なんだけど……。

 名前はわからないなーと思う深月に、

「総務、もう終わりなの?
 急いで伝票が欲しいんだけど」
と女は言ってくる。
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