クール王子ととろける溺甘♡同居
「……いっ」
ん?
ゴミ拾いをして数十分が経った時、二見くんの声に違和感を感じながら、恐る恐る声をした方向を見る。
「……二見くん?……あっ、」
突っ立ったまま自分の手を見つめる二見くんに少し近づいて視線を同じ方向に合わせると、汚れた軍手の先から赤い液が滲んでいた。
「き、切ったの?」
そう聞きながら、二見くんの足元に目を向けると薄汚れて割れた瓶の破片が枯れ葉に隠れて落ちていた。
「別に大したことない。深く切ってるわけじゃないし」
「ダメだよっ!軍手取って!」
すぐに作業を再開しようとした二見くんを慌てて止める。
「は?」
二見くんは、何言ってんだって顔をしてる。
「汚れたところで怪我してるんだから、なおさら早く手当てしなきゃ!」
それこそ、破傷風の危険だってある。
軍手を取った二見くんの指、本人はかすり傷程度見たいにいっていたけれど、それよりも傷口は深く見える。
慌てて、背負っていたリュックから、予備のペットボトルの水を取り出す。