クール王子ととろける溺甘♡同居
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先生に頼まれて、私は先に施設の救護室に二見くんと入る。
先生が山から下りてくるまでの間、怪我の消毒をしようと、二見くんを椅子に座らせる。
「簡単な手当てだけだから、先生が来たらすぐに一緒病院に行くんだよ?」
棚から取り出した消毒液を持って、二見くんの向かいに腰を下ろす。
「小山」
「ちょっと染みるかもだけど」
「小山っ」
消毒液を持つ手を、二見くんに掴まえられる。
「な、何?」
「何じゃねーよ。怖がってんじゃん。さっきから手震えてる」
「……っ、」
二見くんに言われて自分の手を見ると確かに小刻みに震えている。
「どっち。俺が怖いから?傷口見てちょっとビビった?」
多分、どっちも。
「怖いならやらなければいいのに」
「そんな無理だよ、心配だもんっ」
「……はぁ、貸して」
「あっ、」
二見くんは「自分でやる」と言って消毒液を私から奪い取ると、指を自分で手当てし始めた。