焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「瀬戸さんだって私に勝手に勘違いされちゃ困るって」
「ごまかそうとしなくていいわよ」
迷いのない、確信的な台詞。
「瀬戸さんがそのバーを指定した理由も、なんとなく分かる気がする」
「その高度な読み合いすごいね」
心理学者になれると思うよ推薦する。
「いい機会じゃない。お店はそのバーにしましょう」
「いい機会とは……?」
「バーテンダーと和花菜、瀬戸さん。何かしら進展するはずだし」
本当はその相関図に亜里沙さんも加わっているんだから複雑だ。
「私が予約しても意味ないから和花菜がよろしくね、電話」
「まじっすか」
「和花菜にとっては好きな相手と会話の口実が見つかったんだから、利用しなさいよ」
琴美、もしや人の恋愛を楽しんでる?ってくらい目が輝いてる。
行動するより考え込む私を見てられないからなんだろうけど。