焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「瀬戸さんだって私に勝手に勘違いされちゃ困るって」

「ごまかそうとしなくていいわよ」

迷いのない、確信的な台詞。

「瀬戸さんがそのバーを指定した理由も、なんとなく分かる気がする」

「その高度な読み合いすごいね」

心理学者になれると思うよ推薦する。

「いい機会じゃない。お店はそのバーにしましょう」

「いい機会とは……?」

「バーテンダーと和花菜、瀬戸さん。何かしら進展するはずだし」

本当はその相関図に亜里沙さんも加わっているんだから複雑だ。

「私が予約しても意味ないから和花菜がよろしくね、電話」

「まじっすか」

「和花菜にとっては好きな相手と会話の口実が見つかったんだから、利用しなさいよ」

琴美、もしや人の恋愛を楽しんでる?ってくらい目が輝いてる。

行動するより考え込む私を見てられないからなんだろうけど。

< 192 / 242 >

この作品をシェア

pagetop