焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

電話か、会いにいくか。

どっちも今の状況だと私にはハードルが高い。

なんとなくスマホの電話帳をひらき、彼の名前を指先でなぞった。

-------家に帰った後も、スマホとにらめっこしていた。

本来なら打ち上げの話はマスターにするべきだ。

成宮さんに聞いても詳細含めマスターの確認をあおぐことになる。

だからこうして電話しようか、とか悩んでるのは本当は私のわがままなんだろう。

明日か明後日にでもバーに行って直接話をした方がスムーズに進むかもしれない。

分かってても、今彼の声を聞きたいっていう気持ちが顔を出す。

一度かけてみて、三回コールが鳴っても出なかったら諦めよう。

お仕事中の可能性も高いし。

そう思ってなんとなくベッドの上で姿勢を正したはずみで画面をタップしてしまった。

「うそかけちゃった、え、待って」

わたわたしてる間に、『和花菜?』と成宮さんの声が聞こえた。

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