焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

カツン、と軽い音が響き、いよいよ打ち上げが始まった。

「琴美、フォークの数足りてる?」

「こっちのテーブルは揃ってる、けどあと2、3枚お皿欲しいかも」

「もらってくるね」

私と琴美は幹事として裏方に徹する。

「成宮さん、取り皿を3枚もらってもいいですか?」

「僕がお持ちしますので、大丈夫ですよ」

今日は成宮さんとマスター、如月さんがカクテルや料理をふるまってくれる。

会場の準備から何までやってくれてありがたい。

「取り皿はこちらに置いておきますね。一応ナイフやフォークも足しておきましたので」

喋りながら空いたグラスやお皿を手に持って片づけている。

その成宮さんを見て、予想通り先輩たちが黄色い悲鳴をあげた。

「予想以上にイケメンでびっくりしたわ、私も惚れちゃいそう」

琴美まで真面目な顔で言いだすからやめてほしい。

「琴美が成宮さんに惚れちゃったら私どうすればいいの」

「あれはやばいって。所作も綺麗っていうか品があるしすっごい気遣ってくれるし、惚れるの分かる……」

恐るべし美青年バーテンダー、と感嘆の息をもらす。

この会場で、確実に女性からロックオンされている成宮さん。

多分その視線には気づいているんだろう。

琴美とふたてに分かれ動きつつ、ちらっと様子をうかがう。

鮮やかな手つきでカクテルをふるまい、パフォーマンスで歓声を浴びていた。

「清水、幹事お疲れ」

「瀬戸さん。あ、何か食べ物持ってきますよ」


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