焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「俺より清水の方こそ食べな。ずっと何も食べてないだろ。とってくるから待ってて」
私が断る前にぽん、と頭を撫でて取りに行ってくれる。
瀬戸さんも色んな人たちから話しかけられて、全然食べてないはずなのに。
少し待つと、お皿にサラダやパスタをのせて戻ってきた。
色のバランスを考えられた盛りつけで、この人も大概だよなと笑ってしまう。
「和花菜さん、よろしければこちらもどうぞ」
傍にいた成宮さんが琥珀色のカクテルが入ったグラスを渡してくれる。
そして素早く瀬戸さんの空いたグラスを下げ、同じものを差し出した。
「成宮さん、でしたよね?お久しぶりです」
「はい。こちらこそ、いつもご来店ありがとうございます。今回は打ち上げ会場に選んでくださって光栄です」
「ここ、雰囲気もいいし食事も文句なしだから。どうかなって和花菜に相談してみたんです」
「わっ」
瀬戸さんの腕が腰にまわって、引き寄せられる。
しかも清水じゃなくて、和花菜って。