焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「今回こうやって打ち上げできたのも、俺のアシスタントを和花菜が務めてくれたってことが大きくて」
「違います、瀬戸さんがチームリーダーだったからですよ」
身に余る言葉で慌てて否定する。
「おふたりが組んでいたからこその成功ですね」
笑顔を崩さず、模範解答なコメントをくれた。
成宮さんは、私が瀬戸さんに引き寄せられて密着していても動揺しないのか。
少しくらい、その完璧な笑顔を崩してくれてもいいんじゃないですか。
「そうですね。連日ふたりで会社に残って仕事してましたし、自然とお互いのことが分かるようになったな」
瀬戸さんに視線を投げかけられ、間違ってはないので反射的に頷いてしまう。
「いい上司と部下の関係が築けている証拠ですね、きっと」
私の勘違いだろうか。