焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「お互いがお互いに嫉妬してたってことか」
「成宮さんが私をここに連れてきた理由も、瀬戸さんに嫉妬したからだったんですね」
「あれ以上見せつけられるの、嫌に決まってる」
成宮さんの香りに包まれる瞬間が好きだ。
ずっとこのままでいられたら、どんなに幸せか。
「私だって……成宮さんが先輩からキャーキャー言われてるの、妬いちゃいます」
「そういうこと、言うなよ」
困ったように笑いながら私の髪に触れる。
この距離感と雰囲気がそうさせるのか、つい口をついて本音がでてしまう。
「でも、そろそろ戻らないとですね」
「和花菜。今度はああいうことされそうになったら避けろよ」
「成宮さんこそ先輩の猛追にからうまく逃れてくださいね」
どちらからともなく笑って、バックヤードから表舞台へ戻った。
「あー!和花菜戻ってきた。どうしたの?」
「琴美ごめんね。成宮さんと打ち上げの流れの確認してた。そろそろデザート出してくれるって」