焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「ここに来たときは絶対あったのに」
私も、亜里沙さんが華奢なイヤリングをしていたのは見ている。
おそらく会場内を歩き回っていたときに外れてしまったんだろう。
「イヤリング、誰かに踏まれちゃったら大変です。私も一緒に探します」
テーブルの下までしっかり確認していると『どうなさいましたか』と後ろから声が。
「成宮さん。亜里沙さんがイヤリングを落としてしまったみたいで」
「でしたら自分たちで探すので、大丈夫ですよ」
「いえ、一緒に探します。誰かに踏まれたら壊れてしまいますし」
「助かります」
亜里沙さんは酔いが回っているため待機で、2人で談笑している人たちの邪魔にならないように探す。
「ここにもないなぁ」
テーブルの上にも落ちていないか、どこかの隙間に入り込んでいないかと念入りに見ていたら。
「あ、あった。これだ」
成宮さんが私から2つほど離れたテーブルのところでつぶやいた。
「あったんですね、良かったです!」
無事に見つかってよかたっと駆け寄ろうとしたところで、亜里沙さんが成宮さんを抱きしめた。